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指数法則

1.累乗とは

 累乗とは,ある数を複数回かけることをいいます。例えば, 
\( 2 × 2 \)
 や 
\( 3 ^ 4 \)
 などは累乗といえます。累乗を冪乗(べきじょう)と表現することもありますが,最近の教科書では累乗に統一されているようです。累乗にはどんなきまりがあるのでしょうか?

2.指数法則

 累乗に関する計算のきまりを
指数法則
といいます。今回は,指数法則のいくつかを紹介して,皆さんに理解してもらおうと思います。
  1. \( a ^ m × a ^ n = a ^ { m + n } \)

     数式をみて意味がわかりますか? 実際に数字を入れて考えてみると,わかりやすくなるかもしれません。
    \( \begin{align*} 2 ^ 2 × 2 ^ 3 & = ( 2 × 2 ) × ( 2 × 2 × 2 ) \\ & = 2 × 2 × 2 × 2 × 2 \\ & = 2 ^ 5\\ つまり\\ 2 ^ 2 × 2 ^ 3 & = 2 ^ { ( 2 + 3 ) } \\ & = 2 ^ 5 \end{align*} \)
  2. \( (a ^ m) ^ n = a^{mn} \)

     この例についても,実際の数字で確認してみましょう。
    \( \begin{align*} (2 ^ 2) ^ 3 & = ( 2 ^ 2 ) × ( 2 ^ 2 ) × ( 2 ^ 2 ) \\ & = (2 × 2) × (2 × 2) × (2 × 2)\\ & = 2 × 2 × 2 × 2 × 2 × 2\\ & = 2 ^ 6\\ つまり\\ (2 ^ 2) ^ 3 & = 2 ^ { ( 2 × 3 ) } \\ & = 2 ^ 6 \end{align*} \)
  3. \( (a ^ m) ÷ (a^n) = a^{m-n} \)

    \( \begin{align*} (2 ^ 3) ÷ (2^2) & = ( 2 × 2 × 2 ) ÷ ( 2 × 2 ) \\ & = \frac{( 2 × 2 × 2 )}{( 2 × 2 )}\\ & = 2\\ つまり\\ (2 ^ 3) ÷ (2^2) & = 2 ^ { ( 3 - 2 ) } \\ & = 2 ^ 1\\ & = 2 \end{align*} \)
  4. \( (ab)^m = a^m b^m \)

     この例については,自分で考えてみましょう。

3.\( a^0 = 1 \) ?

 何かの数字の0乗を計算することはできるのでしょうか? 実は,指数法則が常に成り立つとすると,0乗を計算できるのです。次の計算式を見てください。
\( \begin{align*} a^m × a^n & = a^{m+n}\\ なので\\ a^{m+n} & = a^m × a^n\\ \end{align*} \)
m=0,n=1を代入し,両辺を整理します。
\( \begin{align*} a^{0+1} & = a^0 × a^1\\ a^1 & = a^0 × a^1\\ a & = a^0 × a \end{align*} \)
 上の等式が成り立つためには,\(a^0\)が1でなくてはなりません。ですから,指数法則が常に成り立つとすると,\(a^0\)は1なのです。
 aにはどんな数字を入れてもよいのですから,\(2^0も15^0 \)も1ということになります。数式では納得できない人のために,表を使って,累乗の規則性を考えてみましょう。次の表を見てください。

 指数の数を1ずつ小さくしていくと,計算値は\(\frac{1}{a}\)になっていきます。この規則にしたがうと,\(2^0\)は1, \(2^{(-1)}\)は\(\frac{1}{2}\), \(2^{(-2)}\)は\(\frac{1}{2^2}\)となります。

3.今回の課題

次の式を簡単な(累乗の)式に書きかえなさい。
  1. \( 5^3 × 5^{10} \)
  2. \( {(5^3)}^{10} \)
  3. \( 5^3 + 5^3 + 5^3 \)
  4. \( 987654321^0 \)
  5. \( 7^{(-2)} × 7^5 \)
 今回のテーマはわかりにくいと思いますので,課題がしっかりできた時点で,銀メダルとします。
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コメント欄

2014年12月6日土曜日14:50:26(JST)
会長 さんの発言
Kurakanさんからメールで解答を頂きました。Kurakanさんには銅メダルを進呈します。